冬の養生~五臓は「腎」
※これは2020年11月08日のブログ記事をお引越ししてきた記事です※
暦の上では立冬を迎えました。これから、どんどん寒くなっていきますね。
薬膳は、中医学をベースに考えられています。
中医学の基本には、陰陽五行説というのがあるのですが、これは1つの説ではなく
陰陽説と、五行説に分かれています。
陰陽師などで出てくる白黒の勾玉みたいな図を見た事があると思います。
これを陰陽太極図といい、
この世のすべては陰と陽の相反する要素で成り立っている。
という考えを図で表したものです。
(陰陽学説については、また時間がある時に記事にしようと思います)
立冬から立春までの三か月は、「陰」が主役。
一年でもっとも寒く閉鎖的な季節。
「寒」の性質は、「凝滞・収引」 気血が滞り、毛穴が閉じ、筋肉も収縮し引き攣りやすくなります。
そんな冬は「腎」を傷つけるので、腎をいたわる生活を心がけます。
中医学でいう五臓の「腎」は、
人が元々もって生まれた生命力や生殖能力が蓄えられている場所であり
かつ、食べたもののエネルギーも蓄えられる場所、まさに命の源ともいうべき臓。
生長、発育、生殖を司り、各臓器の陰陽の根本ともされているのが「腎」
歳と共に、骨がもろくなったり、白髪になったり、耳が遠くなったりと
いわゆる老化現象と呼ばれるものがあらわれるのは、この「腎」に蓄えられている
もってうまれた生命力(精気)がどんどん減っていくから。
冬になって寒くなり、腎が傷つくと
気の巡りも血の巡りも悪くなっていくため、疼くような痛みや腰痛
関節痛、筋肉のこわばり、脳血管障害、高血圧などになりやすくなります。
また、毛穴が閉じるため汗をかきにくく、
水の体内調整がうまくできなくなったりもします。
そんな「腎」をいたわる冬。
施膳方針は【補腎助陽】・【補気益腎】です。
「腎」の精気を補い、
身体を温め、血行をよくする食材や調理法を選ぶようにします。
次回は、冬におすすめの食材について記事を書きます。